院長からのひとこと

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当院での12歳から15歳の小児へのコロナワクチン接種後の副反応について(2021年11月5日)

当院では、9月から10月にかけて、12歳から16歳未満の小児にファイザー社製新型コロナワクチンの接種を3週間の間隔で2回の接種を行いました。1回目、2回目の接種後の副反応について保護者に対して聞き取り調査をしたのでその結果について報告します。

対象:12歳から16歳未満の男性57名、女性53名の計110名

調査方法:1回目は2回目の接種時に外来で、2回目は接種後1週間後に電話で保護者に聞き取り調査をしました。質問項目は、発熱、接種部位の痛み、全身倦怠感、関節痛、下痢嘔吐などの消化器症状、頭痛、腋窩リンパ節の腫れです。

結果:下図

考察:接種部位の痛みは1回目、2回目はほぼ同数でしたが、それ以外はすべて2回目の接種後でその頻度が高くなっていました。しかもその割合は1回目と比べて極端に高くなっていました。発熱(37.5℃以上)は2回目で59%の小児にみられ、そのうち半数は38℃以上でした。発熱以外では全身倦怠感59%、頭痛33%などの症状が多くみられました。また、接種した側の腋窩リンパ節の腫れ痛みが10%に認められたのは想定外でした。成人の頻度は2%程度なので(厚労省ホームページより)、成人と比べてもその頻度が高いことから、これが小児の特徴なのかどうか今後検討が必要と考えられました。

12歳から15歳児の接種後の副反応グラフ

中学生にコロナワクチンを接種すべきかどうか?(2021年9月14日)

現在の流行しているデルタ株の感染状況(家庭内感染が70%占める)と感染力の強さ(従来株の2倍の感染力)を考えると、接種するメリットが大きいので接種をお勧めします。
詳細は日本小児科学会のホームページをご覧ください。 

中学生へのコロナワクチンの接種のメリットとデメリットについて考えてみましょう。

〈接種のメリット〉

  1. ワクチンの有効性が非常に高い。米国での12〜15歳の小児を対象にした治験でワクチンの効果は100%と判定されている。
  2.  
  3. ワクチンにより発症を予防することで学校生活や部活などの通常の日常生活を取り戻すことができる。
  4.  
  5. 周りの人に感染させるリスクが減る。

〈接種のデメリット〉

  1. 局所反応(接種部位の痛み、発赤はほぼ100%)、全身反応(頭痛、倦怠感、発熱)が出現する。
    翌日をピークに出現するが、1週間程度で改善する。
  2.  
  3. ワクチン接種後のアナフィラキシーや痛みに伴う失神発作がある。
    他のワクチンと変わらないか、むしろ軽い。
  4.  
  5. ワクチン接種後に心筋炎のリスクがある。
    日本小児循環器学会は、ワクチン接種後の心筋炎はコロナ感染後の心筋炎よりはるかに発生率が低く大半が軽症のため、心臓疾患のある小児へのワクチン接種を積極的に推奨している。12歳〜17歳を対象にした米国の研究論文によると、コロナ発症後に心筋炎になるリスクの方がワクチン接種後よりはるかに高い(男性で6倍、女性で21倍)としている。

以上から、中学生へにコロナワクチン接種は、デメリットよりメリットの方が高いと考えられます。希望される方は積極的に接種をしてください。

今治市では9月12日(1回目接種は10月2日まで)から12〜17歳の人を対象にコロナワクチンの接種が始まりました!(2021年9月14日)

当院は9月第3週から12歳〜16未満の人を対象にコールセンターの予約での個別接種を実施しますが、接種希望者が予想以上に多かったため、予定していた予約枠がすべて埋まってしまいました。

申し訳ありませんが、16歳未満で接種を希望される方は接種実施医療機関一覧表(PDF)を参考に予約をしてください。

8月に入ってもRSウイルス感染症の流行が止まりません!(2021年8月10日)

6月から流行が始まったRSV感染症。8月に入っても流行が止まりません。

今年は全国的にRSV感染症が大流行していますが、今治地区でも0歳〜2歳のお子さんを中心に流行が続いています。1年半ほど流行がなかったため免疫を持たないお子さんが集団の中に増えていたためと考えられています。

RSV感染症についての注意点をあげておきます。

①通園している保育園、幼稚園でRSV感染症の発生があるかどうかは、この病気を疑うための重要なポイントになります。

②典型的な経過を知っておきましょう。RSVは気管支炎、肺炎をおこします。
最初は鼻水、発熱で始まり、少し遅れて咳が出始めます。咳は日増しににひどくなり、夜間激しく咳き込むようになり、胸の音がゼーゼーいうこともあります。発症3〜5日をピークに症状は軽くなり7〜12日で終息します。

③1歳未満のお子さん(特に6ヶ月未満のお子さん)は、早めの受診が大切です。RSV感染症は乳児の突然死の原因になります。兄姉がいる家庭では、上のお子さんが感染源になっている場合がよくあります。兄、姉が通園している園での流行状況を確認しておきましょう。

④RSV感染症は何度もかかります。昨年かかったから大丈夫ということはありません。再感染、再々感染もあります。ただし2回目以降は発症率が低く、比較的軽症で経過します。

6月下旬から高熱がでる夏かぜが流行し始めました!(2021年7月7日)

4月から5月にかけては感染性胃腸炎が、6月に入ってからはRSV感染症が流行し始めました。
RSV感染症はいまだに持続的な発生がありますが、6月下旬からは高熱がでる夏かぜが爆発的に流行し始めました。

夏かぜとはエンテロウイルスというウイルスの感染で突然の高熱で発症するのが特徴です。咳や鼻水などの呼吸器症状は伴いません。手足口病やヘルパンギーナもエンテロウイルスの仲間の感染症です。

夏かぜに対する特効薬はありませんが、しっかり水分をとって安静にすれば2日程度で下熱します。発熱が3日以上持続する場合や嘔吐を伴うような時には病院を受診するようにしてください。

4月中旬から感染性胃腸炎が流行しています。(2021年5月10日)

4月中旬から市内の保育所や幼稚園で感染性胃腸炎が流行しています。
園内での集団発生や家族内感染もあるようです。

感染力が強く成人の発症もあることからノロウイルスが原因菌ではないかと思われます。ノロウイルスなどウイルス性胃腸炎に対する特効薬はありませんので、脱水にならないため次のような対応をとってみてください。

①塩分と糖分がバランスよく配合されているイオン水や経口補水液(OS1、アクアライトORS)などを取るようにしましょう。薄めたお味噌汁や野菜スープでも構いません。

②食欲がない、吐き気がある時は、少量ずつ頻回に水分をとるようにしましょう。ペットボトルのキャップにイオン水を注いで少しずつ飲んでいくのもいいでしょう。また、OS1ゼリーをひと匙ずつスプーンで飲んでいくのもいいと思います。

明けましておめでとうございます。新型コロナを乗り切りましょう!(2021年1月4日)

新型コロナの流行も2年目を迎えました。1年前に始まった新型コロナも第3波が流行中ですが、首都圏を中心に感染者数増加に歯止めがかかりません。都市部の流行が年末年始の人の移動で今後地方に波及しないか心配です。

今治市では医師会が中心となって各医療機関がネットワークを組んで新型コロナへの医療体制をとっています。

当院でも発熱外来を設けて、新型コロナが疑われる患者さんについては場所と時間を分けて診療、検査を行っています。風邪症状があって受診を悩んでいる方は、当院まで電話でご相談ください。

ワクチン開始までもうしばらくです。三密回避、マスク、手洗いで頑張りましょう。

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