院長からのひとこと

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乳児を百日咳から守るためにできること!(2025年6月17日)

百日咳は百日咳菌という細菌による呼吸器の感染症です。

昨年来より高いレベルで感染者の発生が続いています。百日咳はいずれの年齢でもかかりますが、主に5〜14歳の学童のお子さんが中心です。

問題は生後6ヶ月未満、特に生後3ヶ月未満のお子さんがかかると、無呼吸になって呼吸が止まったり痙攣を起こしたりして死に至ることがあるということです。これはお母さんからの百日咳の免疫が十分に移行しないことが原因です。生まれてまもなくの赤ちゃんをこのような百日咳の感染から守るため以下のようなことができます。ぜひ実践してみてください。

①5種混合ワクチンに百日咳のワクチンが含まれています。接種可能な月齢に達したら速やかに接種をすることです。すなわち、生後2ヶ月になったらただちに5種混合ワクチンの接種をするようにしましょう。

②妊娠後期(生後27週から36週)の妊婦さんに百日咳が含まれる3種混合ワクチンを接種して、母親から乳児への移行抗体を増やして赤ちゃんの重症化を防ぐという方法です。
諸外国や小児科学会や産婦人科学会でも母子免疫ワクチンとして推奨されています。
妊婦健診の際に産婦人科の先生に相談をしてみましょう。

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。(2025年1月6日)

昨年は、インフルエンザや新型コロナ以外にも、手足口病、溶連菌感染症、マイコプラズマなどの感染症が大流行しました。これは、新型コロナの発生により3年間にわたり、三密回避やマスク・手洗いなどの感染対策を社会全体で行ったことで、それまで毎年流行した感染症の発生がなくなり、それらの感染症に対する免疫を持たないお子さんがたくさん増えてしまったことがその要因です。そして、一昨年、新型コロナが5類に移行したことで行動制限が緩和され感染症が次々と大流行しました。個人的には、流行の規模は年々小さくなっていって数年後にはコロナ前の状態に戻ると考えています。

感染症が発生する三大要因は感染源、感染経路、宿主の抵抗力の低下です。感染はそのいずれかを排除することで防御できます。新型コロナで学習したこれらへの感染対策を流行状況に応じて適切に行えば過剰に恐れる必要はないと思います。

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