栄養士として離乳食相談にあたって思うこと
平成28年7月の定例勉強会(平成28年7月14日開催)
当院で離乳食指導をしてもらっている管理栄養士の青野真紀子さんに、これまでの離乳食指導で感じたことについてお話をしてもらいました。
ご自身も2人のお子さんのお母さんで育児に奮闘中です。そのためか離乳食相談で共感するところも多々あるそうです。(院長)
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平成28年7月の定例勉強会(平成28年7月14日開催)
当院で離乳食指導をしてもらっている管理栄養士の青野真紀子さんに、これまでの離乳食指導で感じたことについてお話をしてもらいました。
ご自身も2人のお子さんのお母さんで育児に奮闘中です。そのためか離乳食相談で共感するところも多々あるそうです。(院長)
あおい小児科で離乳食相談を始めて2年。今までの相談で多かったお母さんの悩みは、
1位:少食・食べない・離乳食が進まない
2位:今後の進め方が分からない(固さ・量の増やし方など)
3位:噛まない・丸飲みする
その他:ベビーフードばかりになる・基本が分からない・アレルギーが心配・手づかみしない・・など
その中で、比較的簡単に問題が解決した例は、
①生活リズムが整っていない場合:早寝早起きで生活リズムを整える。
②授乳時間が決まっていない場合:授乳の間隔を3~4時間くらいあけるようにする。
③やわらか過ぎて噛まない場合:固さや大きさを進める。手づかみ食べがしやすいように工夫する。
他にも、おかゆをご飯からではなく米から作る、野菜をダシで煮る、ベビーフードをやめて手づくりにするだけで、食べる量が増えたというケースもありました。
離乳食の難しさは、個人差が大きいのでこれで良いのかの判断が難しいところだと思います。時期に合わせてと言われても、本当に合っているのか分かりにくい。そうなると、ベビーフードはきちんと考えて作っているので安心かも・・・とベビーフード頼みになる人もいます。
そして、離乳食を作るのが「特別」なことになっているように感じます。
それ以外にも離乳食が特別になっているのは、「離乳食は大切」というお母さんの思いがあるからだと感じますが、難しく考えすぎなくても大丈夫です。少々失敗したって、手づくりが美味しいに決まっているのです!
ただ、イライラしながら作ると美味しさは減ってしまう気がします(食べろオーラが出るので)。
ですから、簡単に作れる工夫が出来れば良いと思います。
そこで、私がおススメするのは「取り分け」です。取り分けは、ゴックン期からできますし、固さ大きさを変えるだけですべての時期で使えます。わざわざ別で作るのではなく、大人の食事から取り分けるだけなので、手間も少なく、しかも出来たてなので美味しい!ただ、そのためには、大人も家庭でとったダシを使って欲しいのです。
ダシのうま味成分であるグルタミン酸は、母乳にも多く含まれていて、人間にとってとても大切な栄養素なのです。
離乳食実習では、昆布とかつお節でとったダシとベビーフードのダシの飲み比べをしてもらいますが、全然違う味です。天然のダシの優しい味と香りが、赤ちゃんの味覚を育ててくれます。調味料を使わなくても、離乳期(特に前半)はダシのうま味で十分なのです。
子供の味覚障害が増えていると言われていますが、離乳期から本物の味で味覚を育ててあげてください。色々な物を食べて美味しいと感じられるのは、とても幸せなことです。
そして、何より楽しく食べる♪食事はお腹に入れば良いというものではありません。体の成長だけでなく、心の成長にも影響します。時々手抜きもOK!楽しく美味しく食べる基礎を離乳期に作ってあげて欲しいと思います。
とはいえ、なかなか楽しくばかりではいかないのが離乳食。先にも書いたように、個人差が大きくこれで良いのかの判断が難しい所がお母さんを悩ますポイントだと思います。毎日のことなので、悩みながら作る離乳食はとても大変!楽しく離乳食作りができるお手伝いが出来ればと始まった『離乳食相談』なので、深く悩む前に気軽に相談に来てください。個別対応なので、じっくり解決策を探していけると思います。
また、これから離乳食を始める方・始めてすぐの方を対象に、ダシの取り方やお粥のつぶし方などが体験できる『離乳食実習』も行っています。こちらも少人数なので、ゆったりとざっくばらんに質問してもらいながらの実習なので、ぜひ参加してみてください。
お母さんの笑顔も赤ちゃんにとっては大切な栄養です。ニコニコ笑顔で離乳食が出来るように、これからも微力ですがお手伝いしていきたいと思っています。
栄養士と一緒に離乳食実習をしながら離乳食の基本を学んでみませんか?